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かたないふ にようこそ^^お絵かきしてます。初回訪問の方はAboutをご覧ください。至らない点が多いかと思いますが、頑張りますのでよろしくお願いいたします。
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ドドドドドド…

おれの眼前に立ちはだかるは天をも切り裂くかの如き壁。
遥か高みへと聳えしその頂きは霞み仰ぎ見ること能わず。

振り返れば、おれが今までひたすら彷徨って来た広大な砂漠が、地平線の彼方まで広がる。
生き物と呼ぶには程遠い異形の怪物たちや、それすら姿を現さぬ炎天の灼熱地獄。
後ろにあてはない。おれはただ前へと進む。
決意とは似つかわしくない心境のまま、故郷の村を捨て、歩き続けることはや数か月。
もう戻れない。吹きすさぶ砂塵の嵐がおれの背中を後押しした。

さて、おれは門に辿りついた。
これまた巨大な鋼鉄の門は、重厚な金属の輝きを帯び、異様な威圧感を放っていた。
果たして来訪者を通す意思を持ち合わせているのかすら疑問だ。
その門へと向かって、おれはまた歩を進める。

「さて…これは珍しい…」

静けさを破る突然の声におれは背筋を凍らせた。
否、その無機質な声はおれの体に染み込み、生気を吸い取るかのように響くのだ。
いくら暫くの間、人の声を聞かなかったおれとはいえ、その声が異質であることくらい容易に感じられた。

姿の分からぬ脅威に、おれは身構えた。
正確には、身をすくめたと言うべきであろう。
それの実体は捉えられぬが、少なくとも自分などが抗ったところで容易にひねり潰されてしまうだろう。
未だ嘗てまみえたことのない脅威に、おれの闘志は既に屈していた。

「ふむ…打ち破る意思はなし…敵ではないと見た…」

その声が発される度に、おれの体は恐怖でびくびくと波打った。
耐えきれず、おれは大声を発していた。

「だ、だれだ!一体どこに隠れている!」

予想外にかん高く裏返った自分の声に、おれは己の恐怖心を確かめ、覚えずも目をつむった。
おれの声は鋼鉄の門へと響き、背後の砂漠へとこだまを発する。
次第に消えゆく声とともに、おれの中の恐怖心は奇妙な落ち着きへと姿を変えていった。
意を決し、ゆっくりと目を見開く。すると――

おれの目の前に、それは、いた。

まるでさっきからそこにいたかのように、堂々と立ち塞がる巨躯の戦士。
その身の丈は常人を遥かに凌駕し、全身鎧に身を包んだ鋼鉄の戦士は、更にその腕にすら余るのではないかと思われる大剣を携えていた。
具現した脅威に、おれは一、二歩と後ずさった。
敵うはずもない。分かってはいるのだが、おれは虚勢を張り叫んだ。

「おまえは何だ!なぜ今まで姿を隠していたのだ!」

おれの問いに、戦士は淡々と答えた。

「我はこの門の門番、守護神の片割れだ。お前に我の姿が見えなかった、それは我がお前の闘争心、攻撃衝動だからだ。我はこの門を破り入ろうと立ち向かう敵を食い止める門番であるが故、門の前に立つ者が攻撃的であればあるほど、我は具現化し、より強大になるのだ。」

それならば、尚のこと戦ってこの者を屈服させるなど無理な相談だ。
おれは言った。

「何も打ち入ろうというものではないのだ。門番ならば敵は払おうとも客人は通すであろう。おれを門の中へと入れてはくれぬか」

だが、戦士の答えにおれは落胆する。

「中に入れろとな…ならぬ。我は門のありし時から、ただ門に進入せんとする者どもを食い止めるためだけにあるのだ。残念だがお前の願いは聞きいれてやれぬ。それに、門を見てみるがよい…」

戦士に言われるまま、おれは鋼鉄の門を見上げた。
目に映るのは、巨大な鋼鉄の門――堅牢なそれは、いかな破城鎚を用いようとも、決して開くことはないように思われる――否、何かがおかしい…

次の瞬間、おれは疑問の解を得た。

門は、一枚板であった。

おれは、我と我が目を疑った。
落とし格子ならいざ知らず、重く巨大な金属の塊の中央に、本来あるべき切れ目が、見当たらなかった。
これでは、入ろうにもこの門を開くこと自体叶わない…
照りつける日差しの中、おれは必死にこの門を開ける方法を考えあぐねた。だが頭がグルグルするばかりで、一向に良策と呼べるものは浮かばない。おれは絶望的な現実を受け入れるしかなかった。

「そ、そんな…まさか…」

おれは落胆した。ふと足元に目をやると、朽ち果てたされこうべや、人のものと思われる骨が所々に散らばり、砂の中へと埋まっている。
おれもこうなってしまう運命なのか…
そう考えると冷や汗が背筋を伝い、おれの生存本能は助けを求めるかのようにあたりを見回した。

おれの目に飛び込んだのは戦士の帯びる大剣であった。
おれはそれに僅かな希望を見出した。これほどの戦士が、その強力な剣を振るえば、あるいは…

「その考えは、ならぬな。確かに、この剣はこの門と対になる程の力を秘めている。だが、門を守る門番が、その門を傷つけることなどあってはならないのだ。」

おれの視線に気がついたのか、戦士がおれの考えを見透かしたように言った。
今度こそ、希望は完全に断たれた…この門に入ることは、おれにはできない…
絶望するおれの目には、門は更に重くのしかかるように見えた。

何かを見出すかのように、おれはまた後ろへと振り返った。
そこにあるのは変わらず、ただ地平線へと続く無彩色な砂の地獄と、そこに吹き荒れる砂の嵐だけだ。
ただ違うことといえば、先ほどよりも傾いた太陽くらいで、それはやがて訪れるであろう、砂漠の極寒の夜を予想させ、おれは身震いした。

そんなおれの様子を暫く眺めていた戦士が、口を開いた。

「だが、お前は少なくとも敵として現れた者ではなさそうだな、迷える青年よ。お前が助けを求めているのは我とて分かる。どうだ、ここはひとつ、知恵比べといこうではないか。」

そんなことをして何になる。おれは思った。
知恵比べで勝ったなら通してやってもよい、というわけではあるまい。肝心の門が開かないのであるから。
だが、希望を断たれたおれは、それでもすがりつくように戦士の言葉を聞いた。

戦士は問うた。

「この世には、多くの扉、門がある。では、この世にある入口と、出口と。多いのはどちらだと考えるか。」

ばかげている。
落胆を通り越して怒りすら感じ始めた。扉というものは入ることも出ることもできる。よって、入口と出口の数は同じに決まっている。今更こんな子供騙しにひっかかるおれではない。
いや、だからこそ、違った答えが求められているのか。この戦士は、門の進入を許さないと言った。ならば。この者が絶対者であるならば、入ることのできる門がひとつ少ないことになる。
いやいや、それもおかしいのではないか…

身をつつむ静寂。

耳に入るのは遠くからやってくる砂嵐の音のみ。
首筋を焦がす日差しを感じながら、おれはもはや思考とは言えない思考を重ねていた。

砂塵、熱射。地獄の中をあてどなく彷徨い続けた日々が蘇る。
決して豊かではなかった、だがちょっとした平穏を保っていられた生まれ故郷。そのオアシスの村を捨て、もっと大きな、もっと輝かしい何かを夢見て、今まで旅を続けてきた。
こんなものがおれの幸福ではない。おれの全てではない。おれの未来ではない。
そう思い、家族も友人も仲間も捨て、ひとり、ここまでやってきた。
もちろん、すぐに後悔した。行けども行けども続く砂漠に、かつてない苦痛を覚えたおれは、本当に今までの幸せを捨ててよかったのか、と何度となく迷い、悔やんだ。

こんなところで終わってしまうのか…
今までのおれが嫌で逃げてきたのに…おれはもう、こんな現実から――

――いや、まてよ…

瞬間、おれは答えへと導かれた。不思議と心の迷いは晴れ、希望の湧いてきたおれは、自信を持って口を開いた。

「答えは、やはり、同じだ。どんな扉や門であろうとも、それは二つの世界を繋ぐものであり、それを通ることは、入ることと同時に出ることでもある。故に、入口は出口でもあり、答えは、同じだ!」
「思えば、おれはずっと、今までの現実が嫌で、旅をしてきた。おれは、今のおれの現実から出たい!先ほどは門に入りたいと言ったが、どうか、おれを、この門から、出させてはくれないだろうか!」

戦士は今までの口調が嘘であるかのように、大きく轟く声を発した。

「よくぞ答えた!青年よ!その通り、それがお前の答えだ!」

その声は今までにも増して力強く、猛々しいものであったが、おれはそれに恐怖を感じることはなく、むしろ勇気づける響きさえあると思われた。

「この門は一枚板だが、ただ一枚だけということではない。この門と門番である我、我らで対となる守護神なのだ。」
「我は入るものを拒むが、門は出るものを拒む。この門はお前の閉塞感、迷いのあらわれだ。門の前に立つ者が迷い、後悔し、絶望に浸るほど、門は固く閉ざされる。逆に、お前が決然たる意思、探究心を持って臨めば、自ずと門は開かれるのだ!見よ!」

おれは、沈みゆく西日に照らされ、紅い輝きを水平に放つ門に目を瞬いた。
意を決し、眩しい紅の反射光にも負けじと目を見開く。

ふと、紅き光が消え、そこには新しい世界へと通じる穴があった。

門が、開いた――

言い知れぬ感動と、新たな旅に向けた好奇心とで、おれの胸はバクバクと高鳴った。
ゴクリと咽喉を鳴らし、門の中へと足を踏み出そうとする。

その時。

背後で不吉な物音が響いた。
目をやると、砂漠で何度か目にしたことのある、あの怪物が空から迫っていた。
凶悪な武器となる爪や牙を複数持ち、歪な形をした巨体、その体を宙に浮かべる四枚の翼は、高く飛べないまでも力強く空を滑る。どす黒く塗られたその表皮は、その者がこの砂漠において擬態する必要のない、敵うもののない最強者であることを意味していた。
開かれた新たな世界の匂いに導かれて、やってきたのだろう。
怪物は、沈む西日の異常なまでの紅を背景にして、複数の口から異様な鳴き声を発しつつ、刻々と接近してくる。

「案ずるな、これは我の役目だ」

おれの不安を感じ取ったのか、戦士は声を発し、その腰に帯びた剣を抜き放った。
剣は、まるで西日を浴びる怪物と対比するかのように青白くきらめいていた。その輝きは、神々しく、聖なるものとしておれの目にうつる。

そうしている間にも怪物は目前まで迫り、今にも狂気の爪が振り下ろされようとした刹那。

一閃。

青白い光が走り、怪物の断末魔の叫びとともに、全ては決した。
おれは、戦士がこの門の門番、守護神であるという意味を改めて思い知り、彼を畏れ、仰ぎ見た。

「どうした。行かないのか、青年よ。」

ぼうとするおれを見て、戦士は言う。
おれはおずおずと尋ねた。

「あの…本当にあなたは、通して、出してくれるのか…」

「門なき今、それを出ようとするものを留める理由は我にはない。出るがいい。」

戦士に言われるまま、おれは門の中へと踏み出し、進んだ。
ふと振り返ると、もはや沈みきった太陽の残光に淡く照らされた砂漠が、門のアーチに区切られ、目の端にうつる。

おれは、今までの現実に心の中で別れを告げると、前を向き、新たなる世界へと歩き出した。








…というかんじのまんがでも描こうかなーどうしよっかなーと


さて。



(追記)

いえあーやっぱり文章の形で書くのって難しいなー

見直すたびに表現の被りとかびみょうな間違いとか見つけてああってなる。


あ、もしも何か意見感想等ありましたらコメなりウェブ拍手なりでくれると嬉しいかも?ww


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無題
いや、結構ストーリーは好きだな。
まふ 2010/11/01(Mon)06:58:47 編集
Re:無題
まふさんありがとう^^

ストーリーは好き…ということはやっぱり文体や表現が分かりづらいというかダメだよねww
ま、ストーリーは僕もわりといいかなと思いながら書いたんだ。

いつかまんがにしよう…
そしてまた気が向いたらここにストーリー案をあげるかもしれないww
【2010/11/01 22:02】
無題
あぁ、表現とか別に問題ないと思うけど…

だいたい頭の中にイメージがちゃんとわくし。
まふ 2010/11/02(Tue)22:45:07 編集
Re:無題
そっかw

まあ、将来的に文章の形で作品を作るつもりはないから表現とかは本当は別にいいんだけど、やってみて実感したのはこの文章をそのまんままんがにはできないなってこと。

言葉で説明する手法と絵で説明する手法って結構違うなあと。

言葉だとつらつら説明とか一文で済むところが、まんがだと新しくストーリーなり付けたり見せ方に気をつけなくちゃいけなかったり。もちろんその逆もあるだろう。

例えば、絶望するおれの目に門は更に重く~のあたり、文章だとそれとなく伏線をはれるわけだが、まんがだとそれっぽい絵にしなくちゃいけない。
逆に、文章を並べ立てた怪物の姿かたちの部分、絵なら書くだけでいいことになるからね。

まあちょっとやってみてよかったなあとは思う。

あとはこれをまんがにするとどうなるかだな。
【2010/11/03 14:20】
備忘録
久しぶりに見た。
怪物が表れるシーンで、淡々と書いていたら流れ的に扉が開いたところかなと思ったが、絵的には主人公が謎かけの解を得たところあたりがいいと思う。怪物が迫りくる中決意を口にする主人公、みたいな絵面。
細かい矛盾点みたいなのは指摘しようと思えばかなりあるな。主人公の心情的な部分まで酌まないとなんかヘンな表現があったり。
最後「出る」とはいっても謎かけの通り結局「入る」ことには変わらないのが致命的か…?
かーたー 2014/03/10(Mon)13:20:44 編集
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